「認知症」衣服を着ること、脱ぐことに激しく抵抗する介護拒否

認知症の方を介護していて、戸惑ってしまうことはたくさんあると思います。その中でも着替えてほしいのに、入浴して欲しいのに、食事をしてほしいのに嫌がる「介護拒否」はどうしたらいいか本当に困ってしまいます。

今回は更衣拒否についてデイサービスに勤務する職員さんの介護日誌です。

更衣拒否

更衣拒否の場合は、汚物で汚れていたり、汚れものを隠していたりして、どうにもならないことが少なくありません。しかし、拒否する原因を探っていくと問題解決の道が見つかる場合が少なくないのです。

更衣拒否の原因

介護者にとって、認知症の方が介護拒否されるとつい「駄々っ子のように嫌がっているだけ」と思いがちですが、介護拒否されるのは必ず何か原因があるのです。行為拒否されるとき、よくあるのが羞恥心です。誰でも人に着替えをしている姿は見られたいとは思いませんね。異性の介護者の場合はなおさらです。

自分でしっかりしている、できると思われている自立心の高い方にとっては、人の手助けを受けることは恥ずかしい、情けないと思われている場合もあります。また認知症状のひとつ、実行機能障害のため、下着、シャツ、ズボン、上着などどの順番で着ればいいのかわからない場合もあり、麻痺や体の動きがスムーズにできないなどの身体的要因による場合もあります。

拒否されている原因を見極め、そのことに応じた対応をすることで、拒否されることが少なくなっていきます。

着る順番がわからなくなってしまった

入浴後の着替えで、上着の上にシャツを着たり、パンツをはかずにズボンを穿いたりする方がいたのですが、袖を通したりすることができていたので、身体的要因はないと判断しました。ただ「次はこれを着て下さい」と安易に声をかけてしまったところ「言われなくてもわかってるわ」といらだたせてしまったようでちょっと軽率だった反省しています。

今回の対処は、着替えをする衣服をかごの中に順番通り入れて置くという極々簡単な対処をしたところ正しく着替えられるようになり着替えに対する拒否は見られなくなりました。

服を脱ぐことに激しく抵抗する

認知症の女性のデイサービスでの入浴時のことです。大浴場を利用していましたが、「お風呂にはいりましょうか?」と声をかけると、嫌がる様子もなく、浴室まで来ました。しかし、いざ入浴するため、服を脱いでもらおうとすると、服の前をしっかりと押さえて脱ぐことを強く拒否し、入浴することができませんでした。

女性なので異性の気配が嫌だったのかと考え、入浴前後は男性の入浴は極力避け男性スタッフの入室も避けました。それでも前を押える様子は変わりませんでした。

ご自宅では一人では入浴することが当たり前になっていたので「恥ずかしい」という感情が出たのでしょうね。この感情は女性なら当然の感情ですので、個浴を利用することで解決しました。

まとめ

介護拒否にはさまざまな理由があります。介護者は自分たちの都合を中心にして介護をしてしまいがちですが、要介護者の気持ちに対する配慮は欠かせません。「どうしてしてくれないの?」と考えるよりは「何が嫌なのか?」と考えていくと、問題解決の糸口になることが多いです。

要介護者の方の価値観、考え方、生活習慣を理解することが大切です。