デイサービスとは?認知症の方が利用するメリット・デメリットを紹介

認知症を発症した親を在宅で介護する場合、親が自宅で一人でいる時間をいかに減らせるかがひとつの課題となります。そこで活躍する介護サービスが「デイサービス(通所介護)」です。

一度はデイサービスという名前を聞いたことはあると思いますが、具体的なサービス内容を知らないという方も多いでしょう。

今回は、認知症の介護で利用されることの多いデイサービスについて紹介していきます。

デイサービスなら、日帰りで介護を受けられる!

デイサービスは介護保険サービスのひとつであり、正式名称は「通所介護」となっています。

日中の時間帯に利用者がデイサービスセンターなどの福祉施設へ出向いて、介護職員の介助を受けながらさまざまな活動をするのがデイサービスです。

利用者の自立した生活のための支援、心身機能の維持、家族の負担軽減等を目的としており、具体的には次のようなサービス内容となります。

  • 自宅から施設までの送迎
  • 施設での食事や入浴
  • レクリエーション
  • 機能訓練

デイサービスの利用時間は利用者がある程度選べますが、朝の9時頃に自宅に迎えが来て、夕方の5時頃に自宅へ帰宅するというケースが多いです。

介護保険のデイサービスは、要介護度1以上の認定を受けている方が利用できるサービスです。

要介護度などによって利用できる回数にも差がありますが、要介護1~2なら週に3~4回、要介護3~4なら週に4~5回、要介護5ならほぼ毎日利用ができるイメージですね。

MEMO
ちなみに要支援1~2の方の場合は、介護保険サービスではなく平成29年4月から新たに始まった「総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)」に分類されるデイサービスのサービスを利用できます。

サービス内容は介護保険のデイサービスと大きく変わりません。しかし、介護保険のデイサービスの料金は全国一律で設定されていたのに対して、総合事業のデイサービスは各市町村が独自に設定した料金で利用することになります。

認知症専門のデイサービスもある!

デイサービスには、認知症の方が利用できる「認知症対応型通所介護」というサービスもあります。

上で紹介したデイサービスは、多くの高齢者が利用できるサービスとなっており、在宅介護をする方の強い味方となっています。しかし、多くの高齢者が利用するからこそ、特有の症状があらわれる認知症の方にとってはあまり居心地が良くないというケースもあります。

そこであらたに誕生したのが、「認知症対応型通所介護」なのです。

おおまかなサービス内容は一般的なデイサービスと変わりありませんが、人数が多い場所が苦手な認知症の方のために利用定員を12人以下にしていたり、認知症対応に理解のある介護職員によるケアを受けられます。

一般的なデイサービスは、利用者と事業所の間で合意があれば住居地に関係なく利用できます。認知症対応型通所介護は「地域密着型サービス」に分類されるため、認知症対応型通所介護の事業所がある市町村に住んでいる認知症と診断された要介護1以上の方しか利用できません。

厚生労働省の調査によると、平成29年10月1日時点だと通所介護の施設数は全国で23,763件、認知症対応型通所介護の数は4,445件となっています。

参考 厚生労働省 平成29年 介護サービス施設・事業所調査の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/service17/dl/gaikyo.pdf

一般的なデイサービスと比べると施設数が少ないこと、利用できる人が市町村に住んでいる方に限定されることを含めて考えると、住んでいる場所によっては認知症対応型通所介護を利用しにくいというケースもありますが、積極的に認知症対応型通所介護の利用を検討する価値はあります。

デイサービスのメリット・デメリット

在宅介護の強い味方となるデイサービスですが、決して良い面ばかりではありません。

事前にメリットとデメリットを把握して、自分の介護スタイルに合っているか判断しましょう。

デイサービスのメリット

認知症の親がデイサービスを利用するメリットとしては、次のようなものがあげられます。

  • 在宅で介護をしている家族の負担が軽減できる
  • 引きこもりがちな生活を改善できる
  • 安心して入浴ができる
  • 会話や空気を楽しみながら食事ができる
  • 新しい知り合いや友人とのコミュニケーションで、良い刺激を受けられる
  • 機能訓練やリハビリによって、症状の進行を抑えたり、体の機能をある程度回復できる
  • 日中にデイサービスに通うことで、夜中の徘徊が減る

認知症の親が自宅にいると、介護をする家族は常に気を張ってしまい大きな負担がのしかかります。デイサービスを利用することで自宅に親がいないまとまった時間を作り出せるので、家族の負担軽減につながります。

特に認知症対応型のデイサービスを利用した場合は、認知症の親にとって過ごしやすい環境で生活できますし、日中に起きていることによって自宅での深夜徘徊が減るという大きなメリットもあります。

デメリット

認知症の親がデイサービスを利用するデメリットとしては、次のようなものがあげられます。

  • 費用がかかる(認知症対応型通所介護の場合は、通常のデイサービスよりも高額です)
  • 施設に馴染めず、親の負担になることもある
  • 長時間デイサービスを利用することで、疲れが溜まってしまうこともある
  • 施設で利用者同士のトラブルが起きることもある
  • 認知症対応型通所介護だと、住んでいる地域によっては利用が限定されてしまう

介護保険サービスのデイサービスは1~3割の自己負担金で利用が可能ですが、当然利用回数が増えればその分費用の負担も大きくなります。

また、認知症の方は環境の変化などに対応しにくく、大人数の場所に出向いたり、頻繁に対面する人が変わるとパニックを起こしたり、負担を感じてしまいます。一般的なデイサービスだとその傾向は強く現れますし、たとえ認知症対応型通所介護を選んだとしても、人によってはやはり合わなかったという場合もあります。

往々にして始めは皆行きたがらないもの。無理やり連れて行くわけにもいかないので気長に説得して納得してもらうことが大事よね。ちなみにうちの母は世間体をかなり意識する人で、当初デイサービスの車が自宅に入ってくることを近所の人に見られるのが恥ずかしいとかなり強硬にいっていたわね。

ひとみ

まとめ

日帰りで介護職員の介助やレクリエーションなどのサービスを受けられるデイサービスは、引きこもりがちな認知症の親の生活スタイルを改善できたり、まとまった時間を生み出すことで家族の負担を軽減できるというメリットがあります。

しかし、特に認知症の場合は環境の変化などに対応できず、デイサービスの利用が負担になってしまうケースも珍しくありません。

上手に利用できれば仕事をしながら認知症の親を在宅で介護することも可能ですから、デイサービスは前向きに利用を検討したいサービスだといえるでしょう。