元訪問介護員の認知症介護回想録「あじさいを見ると思い出す」

介護は大変です。認知症の介護はもっと大変・・・本当にそうでしょうか?

私は以前訪問介護をしていましたが、とても充実した日々でした。

元訪問介護員さんの認知症介護回想録です。

80代女性で初期の認知症

Hさん(仮)は80代女性で初期の認知症とのことで訪問することになりました。

行ってみると、Hさんは食事の用意もできない状態(以前からやってなかったのか・・・)です。ご主人と二人暮らしですが、幸いご主人が簡単な調理であれば出来るようで家事全般はご主人がされていたようです。

しかしご主人も高齢でいつまでこの状態で暮らせるのか少々心配ですね。

投薬管理

まず、大切なのが投薬管理。認知症のほかに内蔵疾患もあり、毎日飲む薬をケースに入れ、食後にきっちりとお薬を飲んでいただくことです。

炭酸飲料が大好きな方だったので、目を離すとサイダーで飲もうとしてしまいます(笑)

ヘルパーの仕事

当初ヘルパーという職業がわからなかったのか、私のことを不思議に思っていたようです。(親戚かと初めは思っていたようです。)

食事の用意とお天気がいい日は一緒に10分くらいの散歩、洗濯と掃除機かけが主な仕事です。たまに洗濯機の中に使用済みの紙パンツが入っていたりしたので、洗濯の前のチェックが必要でした。

週に2度訪問で、2~3ヵ月は穏やかに過ごしていました。

顔や腕にあざが・・・

ある日訪問すると、顔(こめかみのあたり)に青たんのようなあざがあったので、「Hさん、顔どうしたの?」と伺うとHさんは何も答えず、ぼーっと遠くを見つめていました。

憶えていないのか、それとも話したくないのか、ご主人によると、昨晩よろけて壁に顔をぶつけたとのことで、腕のあざもその時できたようです。

会社へ戻り、ケアマネジャーや上司に報告したら、「DVもありうるので注意したほうがいい」とのことで、出来る限り注意して見ておいてくれということでした。

それから何回か訪問すると、たまたま遊びに来ていた離れて暮らす妹さんに合うことが出来ました。私に日々のHさんの様子をことこまかく訪ねていらっしゃってとても心配している様子でした。

なかなか力になってあげられない自分が歯がゆいようでした。

今度は流血

ある日、ヘルパーステーションへ出勤するとケアマネより「Hさん、昨日お風呂で転んで流血したって」と報告がありました。

いつもはデイサービスで入浴されていたHさんですが、なぜか今回は自宅のお風呂に入ったようで、浴室から出るときに頭をドアにぶつけて出血したとのことでした。

私は次の日が訪問日だったので伺いました。

「痛かったでしょう?」と聞くとHさん「もう大丈夫」と照れながら笑顔を見せてくれました。

認知症はご本人が一番苦しんでいると私は思います。自分でも自分がおかしいと思いながら、周囲に心配させないよう、おどけてみせたり、笑顔を見せてくれます。

しかしこの時、もう高齢のご主人との2人暮らしは限界かなと感じていました。

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短期入所施設へ

頭をぶつけたあと、ご主人、妹さん、遠くに離れて暮らしていた娘さんが話し合い、Hさんは施設へ入所することになりました。

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急に決まってしまったので、ご挨拶もできず寂しいですが、散歩に行くと明るい笑顔がを見せてくれるHさんが大好きでした。

「あじさい、きれいだね」「Hさんのお宅のあじさいもきれいですよ」

お宅の近くを通るとHさんと見た、あの時のあじさいが思い出され、何となくほっこりします。

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